わたしにぴったりなバッグを見つけたい! -素材から選ぶ編
SIROKUコラムを担当する近藤です。
突然ですが、ハンドバッグが一番売れるのが、1年のうち今時期の3~4月です。新年度を迎えるこの時期は、各ブランドから新作が数多く登場します。そこで今回は、ハンドバッグのデザインに20年以上携わってきた私の経験から、買って後悔しないバッグを選ぶコツを数回に分けて紹介していこうと思います。
まず今回のコラムでは、バッグを選ぶ際に役に立ちそうな素材のことを、別の回で形や大きさ、デザインのことなどを紹介する予定です。
いつも同じバッグで飽きてきたな、新年度だしそろそろバッグを新調しようかな、とお考えの方は是非参考にしてみてくださいね。
素材の特性を把握しておこう
ハンドバッグに使われる素材には、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維や綿、牛革、合成皮革などがあります。
それぞれの特性を把握しておけば、使用シーンに合わせてふさわしいものを選ぶことができます。みなさんご存知のことばかりかもしれませんが、おさらいをしていきましょう。
・化学繊維(ナイロン、ポリエステルなど)
合成繊維の魅力はなんといっても“軽さ”と“タフさ”。中でもナイロンは、強くて丈夫な繊維です。
合成繊維を使ったバッグは長持ちします。ちょっとの汚れなら水拭きできれいになるし、革や合成皮革、芯材などが使われていなければ、手洗いや洗濯ネットに入れて洗濯することもできます。
・綿(キャンバス、帆布、デニムなど)
綿素材の魅力は、“触感の良さ”。
一方、濃色の場合は色落ちのデメリットがあります。特にハンドルやショルダー部からお洋服への色移り気をつけましょう。反対に、白色の素材のバッグに着用しているデニムなどの色が写ってしまうことも。バッグに色移りをしてしまった場合は、中性洗剤を使って部分的に洗いましょう。
・合成皮革
合成皮革は、編み物や織物を基布としポリウレタン樹脂を塗り、表面に型押しをして天然皮革に似せたシワを人工的に作り出したものです。魅力は天然皮革よりも安価で軽量であること。そして、雨などの水や傷に強く、お手入れ不要な点も特長です。
弱点は製造されてからおよそ3年ほどで経年劣化が始まること。これはポリウレタン樹脂の特性上避けることができません。
また化学薬品に弱いため、アルコール消毒薬が付いた手で持ったり触ったりすると化学変化を起こすことがあります。
・天然皮革
天然皮革の魅力は丁寧に手入れをすれば長く使い続けることができ、自分だけのエイジングを愉しめること。「良い靴は10年、20年もつ」と言われますが、天然皮革製品は本当にそのくらい長く愛用していただけます。一方弱点は、濡れるとシミになったり傷んだりしてしまうこと。雨の日やアウトドアシーンでは扱いが難しい素材ですが、中にはスコッチガード加工など雨に強い加工を施したものもあります。さらに天然皮革は手入れをしないと劣化してしまいます。
バッグは素材にもこだわって選ぼう
とにかく重いバッグは嫌だ、軽いのが良い、という方へおすすめなのは、合成繊維素材の軽量なバッグです。ハンドルや付属部分に天然皮革や合成皮革を使っているものならカジュアルにになり過ぎず、きちんと感が出てお仕事バッグとしてもおすすめです。
また合成繊維の製品は、色柄の展開が多くて、合成皮革や天然皮革に比べるとファッションに軽さが出ます。
もっとすっきり感が欲しい方へは、合成皮革、天然皮革がおすすめです。
中でも「両面合成皮革」という素材を使った裏地無しのバッグは、裏地がない分、合成皮革を使ったバッグも軽いのですが、さらに軽量なバッグになっています。また合成皮革なら、天然皮革製品より手頃な価格なので流行の新しいデザインにもチャレンジしやすいですよね。
天然皮革は、オーソドックスなデザインや好きなものを大切に長く使い続けたい方にぴったりです。
このような素材の特徴を把握しておくと、バッグやお財布・小物などの選び方が少し変ってくるかもしれません。
使用シーンやスタイルに合わせて、ふさわしい物を使っていきたいですよね。
今後もSIROKUコラムでバッグにまつわるテーマでお話をさせていただきます。
さて、SIROKUでは作家がこだわった素材や作り方で生み出したバッグも販売しています。是非引き続きSIROKUサイトをお楽しみください。