ヌメ革ってなに?という方に特長と魅力を紹介します
みなさん、『革』や『牛革』にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
高見えしそう、丈夫そう、長持ちしそう、といったポジティブなものも、重たい、扱いにくい、などといったネガティブなものもあるかもしれません。
先週は皮革製品のお手入れ方法について簡単に紹介したので、“革”についての話をもう少し。
今回は、SIROKUで取扱いの多い『ヌメ革』について話をしていこうと思います。
まず、ヌメ革の特徴を簡単に紹介します。
ヌメ革の特徴は
✓頑丈なこと
✓摩擦に強いこと
✓あまり伸びないこと
✓紫外線によって色が変化すること
中でも「色が変化すること」は意外と知らない方が多いようです。聞いた話によると、皮革製品を扱うメーカーへは、購入時に薄いベージュ色だった革が茶色に変色してしまった、というクレームが入ることがあるそうです。
ヌメ革は紫外線によって色が変化します。「日焼け」です。この色の変化はヌメ革の魅力なのですが、もしあまり色を濃くしたくない場合は日の当たらない場所で保管すると良いでしょう。
話がそれましたが、革にはさまざまな種類があります。ヌメ革は牛革の一種です。牛革は加工しやすく耐久性に優れているため、インテリア家具やバッグ、革小物などさまざまな用途に使用されています。
ところで、みなさんは牛革が牛の皮だということはご存知かと思いますが、どのように生産されているか考えたことはあるでしょうか?
牛革は、私たちの食卓へ上がる牛肉の副産物なのです。そのため革を取るためだけに牛が育てられることはありません。
近年動物愛護の精神などから本革製品が敬遠される流れが一部見受けられますが、SIROKUでは副産物として出た革をありがたく、有効に使うことをポリシーに革製品の取扱いをしています。
牛肉の副産物として出た牛の”皮”は、「鞣し(なめし)加工」を行うことで、”革”になります。書いて字のごとく「革を柔らかくする」工程が「鞣し(なめし)」です。
ヌメ革は、植物由来の成分「タンニン」を使用した「タンニン鞣し」が施されて、表面加工をしていない革のことをいいます。タンニン鞣しは環境に負荷の少ない加工方法です。一方牛革の鞣しで主流なのが、重金属のクロムを用いる「クロム鞣し」です。大量生産に適した手法ですが、環境対策には課題があります。
ヌメ革を作るためのタンニン鞣しは、クロム鞣し(なめし)の2倍のコストと4倍の製作期間を要します。それを思うと、ヌメ革は、手間と時間がかかったとてもありがたい素材なんだと感じずにいられません。
とはいえ、ヌメ革の方が優秀というわけではありません。クロム鞣し加工をしたクロムレザーには、柔らかさや耐久性の良さなどのメリットがあります。
さて、ヌメ革は革の中で“最も革らしい雰囲気を持つ”、といっても良いかもしれません。パッと見ただけで本革だと分かる風合いや、重厚な質感、手触り、芳醇な香り、さらに革の個性(動物が生きていた証となるシワや傷、血管、毛穴など)が見えるなど、魅力たっぷりのとても面白い素材です。
そしてやはり、ヌメ革最大の魅力は、自分だけの色や艶を味わう「経年変化(エイジング)」に集約されるでしょう。
ひとつの革製品と長く付き合っていく過程は、ジーンズマニアが、ジーンズの色落ちや形を洗濯しないで育てていくような感覚に近いのではないかな、と思います。普通、ファッションアイテムのほとんどは変色や型崩れなどで価値を下げてしまいますが、時間をかけて使い込むほどに増す色艶に、「よしよし」したくなるような愛着が沸いてくる点は、皮革製品ならではの楽しみです。
▲Lille og Stor pung S
ヌメ革が使われたアイテムは、使い始めは繊維が固くてキュッと締まっているのでゴワゴワしていますが、使っているうちに繊維が少しずつほぐされることで柔らかくなって、使う人の手や体に馴染んでいきます。
ヌメ革は表面加工を施さない仕上げなので、比較的簡単に傷が付きやすいのが難点ですが、クリームなどでお手入れをすることで傷が目立ちにくくなります。(前回ご紹介したお手入れ法 を参考にしてみてください。)
さて、SIROKUで取り扱っているヌメ革製品で、特に女性にお薦めしたいのがブランド4103のアイテムです。
ヌメ革はどこか男性的なイメージやカジュアルなイメージがあるせいか、女性でもおしゃれに持ち歩けるアイテムは意外と少ないもの。しかし4103のアイテムは女性にも馴染む繊細なカラーと質感で、良い相棒になってくれそうです。手に持った時の、しっとりとした手触りもとっても気持ちいいんですよ。▲4103 ロングウォレット
▲4103 カードケース